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Reach Remoteが切り拓く、洋上オペレーションの未来

Reach Remoteが切り拓く、洋上オペレーションの未来

Reach Remoteプロジェクトは、世界各地に展開可能な無人船を提供することで、海運の未来を変えつつあります。これは、Kongsberg Maritimeの社員にとって誇るべき成果です。

無人遠隔操船の時代が、現実になった。

Reach Subsea社が先駆的なReach Remoteプロジェクトを立ち上げたとき、そのビジョンは明確でした。無人の遠隔操船船(USV)によって、サブシー・オペレーションのあり方を根本から変えること——。そのビジョンは今や現実のものとなり、オフショア・オペレーションの未来を形作る上で重要な役割を果たしています。

北海におけるReach Remote 1の初の商業運用から、オーストラリア海域に到着したReach Remote 2に至るまで、このプロジェクトは海洋オペレーションの可能性を再定義するマイルストーンを次々と達成してきました。

KongsbergMaritimeの先進技術と船舶設計に支えられたReach Remoteは、海上での遠隔・自律運航が単に実現可能であるだけでなく、効率的で持続可能であり、スケールアップへの準備が整っていることを証明しています。

実証された能力:Reach Remote 1の軌跡

Reach Remote 1のデビュー年は、実際の運用条件下での船舶の能力を実証する一連のキャンペーンの成功で幕を開けました。ハイライトは、Shell社向けに実施したOrmen Lange油田での貯留層調査(レザボアサーベイ)です。この複雑な作業を通して、船舶が高品質な調査を実施できる能力を実証しました。

その後も、Equinor社向けのIMR(Inspection, Maintenance and Repair:検査・保守・修理)キャンペーンや、TotalEnergies社向けの業務など、追加プロジェクトが続きました。大半のタスクは調査および非接触検査に焦点を当てたものでしたが、パイロットフェーズではインターベンション(介入)作業も試行されています。

新しいアセットを中心とした体制づくり

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Marthe Kristine Sand(左)Bjørg Mathisen Døving(右)

「最大の学びは、この新しいアセットを中心に、いかに自分たちの体制を組み直すかということでした」と、Reach Remoteの副社長であるBjørg Mathisen Døving氏は語ります。「コンテナ化された支援システムから、複数拠点間の連携に至るまで、ロジスティクス全体を再考する必要がありました。乗組員のいない船舶が数百キロメートル沖合にいるという状況は、まったく異なるマインドセットを必要とします。」

この複雑さを管理するために、Reach Subsea社はReach Horizonを開発しました。これは、船舶からのライブ映像、センサーデータ、運用ログを世界中のステークホルダーにストリーミングする社内デジタルプラットフォームです。「パイロットからクライアントまで、洋上で何が起きているかをリアルタイムで全員が把握できるコラボレーションツールです」とBjørg氏は説明します。

運用面では、Reach Remote 1は良好なパフォーマンスを示しましたが、小さな課題がなかったわけではありません。Starlinkアンテナにカモメが巣を作り、通信が途切れることがありました。「こうした問題は、実際の運用を通じてしか発見できないものです」とBjørg氏は言います。「クライアントの視点から見れば、この船舶はまさに約束通りの成果を提供してくれました。」

規制上のマイルストーン:単独航行の実現

2025年で最も象徴的な成果は、Reach Remote 1が支援船なしで単独運航する能力を獲得したことでしょう。

「支援船を無くすことは、苦闘の末に勝ち取った勝利でした」とBjørg氏は語ります。「ノルウェー海事局(NMA)は、承認を出すまでに広範な報告書提出とリスク評価を要求しました。Reach Remote 1がKristiansundを単独で出港するのを見届けたときは、チームにとって感動的な瞬間でした。」

Kongsberg Maritimeのプロジェクトマネージャーを務めるMarthe Kristine Sand氏にとって、このマイルストーンはプロジェクトの変革的なポテンシャルを際立たせるものです。「支援船なしで運航できるということは、この技術がいかに画期的であるかを示しています。Reach Remoteが今や単独で運航しているという事実は、多くの人々を驚かせました。私たちが開発した技術——遠隔・自律運航を現実のものとする技術——こそが、これらの船舶の基幹なのです。そして、このマイルストーンは単なる技術的達成ではなく、規制上のブレークスルーでもありました。」

「Kongsberg Maritimeのチームにとって、研究プログラムとして始まり、建造を経て実運用に至るまで、エキサイティングな道のりでした。関わった全員にとって、本当に誇らしい瞬間です」とMarthe氏は付け加えます。

オーストラリアでの新展開

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Reach Remote 1がノルウェーで注目を集める一方、姉妹船は新たなフロンティアへの準備を進めていました。

Reach Remote 2は現在オーストラリアに到着しており、同国の船籍に変更され、クライアントによる受け入れ試験に合格したことで運用が承認されています。2025年12月の初の配備以来、同船は最近、さらに26日間の洋上遠隔オペレーションを完了しました。

「これは重要な瞬間でした」とBjørg氏は続けます。「私たちは北海でコンセプトを実証し、今やそのグローバルな適用性を実証しています。2号船はWoodside社のScarborough油田で、Shell社のOrmen Langeで行ったのと同種のgWatch貯留層調査キャンペーンを実施しました。」

オーストラリアはReach Subsea社にとって戦略的な機会を意味します。現地のクライアントは無人船技術の採用に成熟しており、編成されたチームは深い専門知識と強力な業界コネクションを持っています。「私たちは同国における恒久的なプレゼンスの構築に向けて動いています」とBjørg氏は認めます。「クライアントからの関心は高く、USVの展開はほんの始まりにすぎません。」

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英国、そして欧州全体への展開

ノルウェーとオーストラリアの先を見据え、Reach Remoteは次に英国を目指しています。「英国海域でReach Remoteがどのように運航できるか、英国当局と積極的に協議しています」とBjørg氏は明かします。「北海は本質的に共有の環境であり、英国での機会を開拓することは自然な次のステップです。」

この取り組みは、欧州各国間のより広範な協力によって支えられています。英国、ノルウェー、デンマーク、オランダ、ベルギー、フランス、ドイツが、遠隔・自律船舶運航の道筋を作ることを目的とした覚書(MOU)に署名しており、Kongsberg Maritimeの代表者が各国規制当局のアドバイザーとして重要な役割を果たしています。

「これらの協議は極めて重要です」とBjørg氏は言います。「国境を越えてどれだけ迅速にオペレーションを拡大できるかを左右するものです。私たちはReach Remoteを実際に運用されているアセットとして活用し、これらの枠組みの形成を支援しています。」

船隊の拡大と将来ビジョン

初期ミッションの成功は、Reach Remoteの拡大計画を加速させました。Reach Remote 3および4の発注が確定し、欧州の資金支援も受けて、Kongsberg Maritime UT 5208 USV設計のプロトタイプから量産への移行が進んでいます。

「ビジネスケースは証明されました」とBjørg氏は言います。「今はスケールアップの段階です。船舶が増えることで、効率性とレジリエンスが向上し、複数の地域で同時にプロジェクトを実施できるようになります。」

長期的なビジョンは野心的です。世界中の海で船舶が運航し、地域のROVコントロールセンターによってナイトシフトを排除する、グローバルな「Follow-the-sun」モデルです。「私たちの究極の目標は、七つの海を自由に航行する船隊です」とBjørg氏は説明します。「タイムゾーンをまたいでシームレスに管理されるワールドワイドなオペレーション——それが私たちの目指す方向です。」

Reach Remoteは、概念実証(Proof of Concept)の段階を明確に超えました。実際の価値を提供し、洋上オペレーションの姿を変え、海上における自律運航の新たな基準を打ち立てています。

The future, now —— 未来は、もう始まっている。

Reach Remote6

Kongsberg Maritimeは、Reach Subsea社にさらに2隻の無人水上船(USV)を納入する契約を締結しました。これにより、先駆的なReach Remote船隊はさらに拡大します。

この動きは、Reach Remote 1および2の成功を受けたものであり、大規模な遠隔・自律洋上オペレーションの実現可能性を確認するものです。

Kongsberg Maritime社長のLisa Edvardsen Haugan氏は次のように述べています。「この契約は、当社の遠隔・自律技術に対する業界の信頼が高まっていることを反映しています。Reach Remote 1の成功は、遠隔オペレーションが実現可能であるだけでなく、変革的でもあることを証明しました。これらの船舶を納入することで、当社の先進システムのシームレスな統合と、展開までの効率的な道筋を確保します。Reach Remote 2のコンセプトは、単なる技術的達成ではありません。洋上オペレーションの未来を垣間見せるものなのです。」